FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「じゃあ、俺家に帰ってお母さんたちに言ってくる」
「うん、気をつけてね」
蓮が家を出て行った後、聖はぽつり、と話し始めた。
「あの、飛高さん……」
言いかけると、紅葉が勢い良くこちらにやってきた。
「『さん』はいらないわ。名前で呼び捨てでいいから。かたくるしいの嫌いなのよね。あたしも聖って呼んでいいかしら?」
「ああ、俺のことは構わないけど……」
自分が呼び捨てにされるのは構わないが、年上の人を呼び捨てにすることに少し抵抗を感じ、口ごもる。
それに気付いた紅葉が、にっこりと微笑んだ。
「いいから、ね?」
「……はい」
「敬語もなしで」
「ええ!?」
少し戸惑ったが、紅葉の笑顔が有無を言わさない怖いものに見えたので、逆らわないでおくことにした。
「で、何?」
紅葉が本題に戻してくれる。
「うん……色々迷惑かけてごめん」
「ああ、いいのよ全然。この家広すぎて寂しかったから、むしろ同居人が出来てうれしいわ。それにね……何だか変なこと言うけど、聖って初対面の気がしないのよね。それに……」
「うん、気をつけてね」
蓮が家を出て行った後、聖はぽつり、と話し始めた。
「あの、飛高さん……」
言いかけると、紅葉が勢い良くこちらにやってきた。
「『さん』はいらないわ。名前で呼び捨てでいいから。かたくるしいの嫌いなのよね。あたしも聖って呼んでいいかしら?」
「ああ、俺のことは構わないけど……」
自分が呼び捨てにされるのは構わないが、年上の人を呼び捨てにすることに少し抵抗を感じ、口ごもる。
それに気付いた紅葉が、にっこりと微笑んだ。
「いいから、ね?」
「……はい」
「敬語もなしで」
「ええ!?」
少し戸惑ったが、紅葉の笑顔が有無を言わさない怖いものに見えたので、逆らわないでおくことにした。
「で、何?」
紅葉が本題に戻してくれる。
「うん……色々迷惑かけてごめん」
「ああ、いいのよ全然。この家広すぎて寂しかったから、むしろ同居人が出来てうれしいわ。それにね……何だか変なこと言うけど、聖って初対面の気がしないのよね。それに……」