FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「それでは、早速本題に入りますが。何か気になることがおありとか?」
「はい。こちらなら、きっと解決してくれるだろうと思い、連絡を差し上げました。日本で最も信頼のおける『術者』とお聞きしたのでな」
「あら、柊のご子息に信頼されるなんて、光栄ですわ」
その会話を聞いていた聖は、『柊』という名に聞き覚えがあるはずだ、と納得した。
『柊』は日本が世界に誇る大企業。誰でも一度は耳にする名前だ。話を聞く限り、真吏はその柊グループ総帥の御曹司らしい。
「それで、どのようなことでお悩みですか?」
紅葉が聞くと、真吏は静かに頷いて、語り始めた。
「毎日、同じ夢を見るのだ。それが現実にはないような場所が舞台なので、少し戸惑っている。そのようなことを体験する者はいるのだろうか?」
「ええ、そういうことは稀に見られますよ」
その紅葉の言葉に、真吏の表情が僅かに崩れた。「そうか」と呟くその姿は、ホッとしたようにも見える。
「それで、どんな夢なんですか?」
「ああ、とても広大な草原のある場所が舞台だ。抜けるような青空が広がり、その空には……山がいくつか浮かんでいる」
「えっ」
聖は思わず声を上げた。
真吏の言う景色には覚えがあった。
「はい。こちらなら、きっと解決してくれるだろうと思い、連絡を差し上げました。日本で最も信頼のおける『術者』とお聞きしたのでな」
「あら、柊のご子息に信頼されるなんて、光栄ですわ」
その会話を聞いていた聖は、『柊』という名に聞き覚えがあるはずだ、と納得した。
『柊』は日本が世界に誇る大企業。誰でも一度は耳にする名前だ。話を聞く限り、真吏はその柊グループ総帥の御曹司らしい。
「それで、どのようなことでお悩みですか?」
紅葉が聞くと、真吏は静かに頷いて、語り始めた。
「毎日、同じ夢を見るのだ。それが現実にはないような場所が舞台なので、少し戸惑っている。そのようなことを体験する者はいるのだろうか?」
「ええ、そういうことは稀に見られますよ」
その紅葉の言葉に、真吏の表情が僅かに崩れた。「そうか」と呟くその姿は、ホッとしたようにも見える。
「それで、どんな夢なんですか?」
「ああ、とても広大な草原のある場所が舞台だ。抜けるような青空が広がり、その空には……山がいくつか浮かんでいる」
「えっ」
聖は思わず声を上げた。
真吏の言う景色には覚えがあった。