FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「そうだよ、沙都美ちゃん。事故に遭って意識不明なんだろ? そのせいでおばさんかなり参ってるのに、お前が家にいてやらなくてどうすんだよ」
「ちょっと待て……」
聖は混乱する。蒼馬が何を言っているのか分からない。
「沙都美って……誰のことだ?」
「はあ? 何言ってんだよ、妹だろ? まさか忘れたなんて言うなよ?」
「妹……?」
蒼馬の言っていることは本当なのだろうか。聖は必死にその名の妹のことを思い出そうとした。だがそうしようとすると、急に激しい頭痛に襲われた。
「──っ」
あまりの痛みに、頭を抱え込んだまま倒れた。
「セイ!?」
「聖? どうしたのっ!?」
周りの声が遥か遠くに聞こえる。
(何だよ……これ)
思い出そうとした瞬間に襲ってきた頭痛。
(思い出してはいけないこと?)
本能的にそう感じる。
(そうだ、思い出してはいけないんだ。全部壊れてしまうから。みんな──)
そこで意識が途切れた。その刹那に考えていたことを、おそらく聖は理解していないだろう。
みんな、死んでしまうから。君を失ってしまうから。だから思い出してはいけないんだ──。
強い願いだった。
『しかし、運命はその願いすら、受け入れてはくれない』
フォーチュンは呟く。
『光が、五つ……』
運命は順調に、悲しい方向へと進んでいる……。
「ちょっと待て……」
聖は混乱する。蒼馬が何を言っているのか分からない。
「沙都美って……誰のことだ?」
「はあ? 何言ってんだよ、妹だろ? まさか忘れたなんて言うなよ?」
「妹……?」
蒼馬の言っていることは本当なのだろうか。聖は必死にその名の妹のことを思い出そうとした。だがそうしようとすると、急に激しい頭痛に襲われた。
「──っ」
あまりの痛みに、頭を抱え込んだまま倒れた。
「セイ!?」
「聖? どうしたのっ!?」
周りの声が遥か遠くに聞こえる。
(何だよ……これ)
思い出そうとした瞬間に襲ってきた頭痛。
(思い出してはいけないこと?)
本能的にそう感じる。
(そうだ、思い出してはいけないんだ。全部壊れてしまうから。みんな──)
そこで意識が途切れた。その刹那に考えていたことを、おそらく聖は理解していないだろう。
みんな、死んでしまうから。君を失ってしまうから。だから思い出してはいけないんだ──。
強い願いだった。
『しかし、運命はその願いすら、受け入れてはくれない』
フォーチュンは呟く。
『光が、五つ……』
運命は順調に、悲しい方向へと進んでいる……。