FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
彼女を守ることが自分を守ることだった。沙都美が明るく笑っていられるなら、自分も心を穏やかにしていられるから。だから守りたかった。
それが壊れる。それは支えを失うのと同じこと。
守りきれなかった、それはお前のせい──。そう、激しく自分を責めることになる。
「ごめん……守れなくて、ごめんっ……」
聖の目から涙が零れる。
「沙都美……ごめんな……」
「いいよ」
謝る聖に、優しい声が降ってくる。
「お兄ちゃんはずっと苦しんできたんだから、もういいんだよ。自分のためだけに生きていたって」
目の前に沙都美の姿が見える。こんなに近くにいたのに、今まで気付いてやれなかったのか。聖の表情は崩れる。
そんな聖に、沙都美は穏やかな笑顔を見せてくれた。
「ごめんね、お兄ちゃん。私が、ちゃんと言えば良かったんだね」
「沙都美…?」
「私が……お父さんとお母さんのこと、解ってるから大丈夫だって……」
「え……」
聖は目を見開く。
沙都美は申し訳なさそうに笑う。
「知ってたけど……お兄ちゃんやお母さんが必死に隠しているの知ってたから……知らないフリしてたの。ううん……お兄ちゃんが嫌な事から護ってくれるって、甘えてたんだ。でも、だからお兄ちゃんにだけ負担かけちゃってたんだね。気付かなくて、ごめんね……」
それが壊れる。それは支えを失うのと同じこと。
守りきれなかった、それはお前のせい──。そう、激しく自分を責めることになる。
「ごめん……守れなくて、ごめんっ……」
聖の目から涙が零れる。
「沙都美……ごめんな……」
「いいよ」
謝る聖に、優しい声が降ってくる。
「お兄ちゃんはずっと苦しんできたんだから、もういいんだよ。自分のためだけに生きていたって」
目の前に沙都美の姿が見える。こんなに近くにいたのに、今まで気付いてやれなかったのか。聖の表情は崩れる。
そんな聖に、沙都美は穏やかな笑顔を見せてくれた。
「ごめんね、お兄ちゃん。私が、ちゃんと言えば良かったんだね」
「沙都美…?」
「私が……お父さんとお母さんのこと、解ってるから大丈夫だって……」
「え……」
聖は目を見開く。
沙都美は申し訳なさそうに笑う。
「知ってたけど……お兄ちゃんやお母さんが必死に隠しているの知ってたから……知らないフリしてたの。ううん……お兄ちゃんが嫌な事から護ってくれるって、甘えてたんだ。でも、だからお兄ちゃんにだけ負担かけちゃってたんだね。気付かなくて、ごめんね……」