FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
(う……うああああっっ)
ハンカチを握り締めて真っ赤になる。
泣いていた聖に、そっとハンカチを差し出してくれた李苑。その彼女に……抱きついたような気がする。
頭が混乱していたため今まで忘れていたが。よく思い返してみると、そうだった。
李苑がハンカチを貸してくれた。
傷を負った精神が、安定を求めた。
そして、抱きついた。
いや、正確には寄りかかった、が正しい。だが聖には寄りかかるも抱きつくも同じことだった。
彼女は少し驚いたものの、嫌な顔ひとつせずに「大丈夫ですよ」と微笑んでくれた。けれど。
(何やってんだ俺は!! あああ、やっぱり恥ずかしいっ、人生最大の恥だっっ!)
もはやクッションを叩くだけでは収まらず、ベッドからタオルケットを引きずり落とすと、それにくるまって突っ伏した。
「どうしたんだろ、聖。ご飯いらないなんて」
リビングでは蓮が心配そうに二階を見上げていた。
「大丈夫なんじゃないかしら。ふふふ」
紅葉は穏やかにそう言う。
昨日まで見えていたおかっぱの少女の姿が急に見えなくなった。それは少女の身に何かあったような悪い感じではなかったので、李苑が何か働きかけてくれたのだろうと思ったのだ。
ハンカチを握り締めて真っ赤になる。
泣いていた聖に、そっとハンカチを差し出してくれた李苑。その彼女に……抱きついたような気がする。
頭が混乱していたため今まで忘れていたが。よく思い返してみると、そうだった。
李苑がハンカチを貸してくれた。
傷を負った精神が、安定を求めた。
そして、抱きついた。
いや、正確には寄りかかった、が正しい。だが聖には寄りかかるも抱きつくも同じことだった。
彼女は少し驚いたものの、嫌な顔ひとつせずに「大丈夫ですよ」と微笑んでくれた。けれど。
(何やってんだ俺は!! あああ、やっぱり恥ずかしいっ、人生最大の恥だっっ!)
もはやクッションを叩くだけでは収まらず、ベッドからタオルケットを引きずり落とすと、それにくるまって突っ伏した。
「どうしたんだろ、聖。ご飯いらないなんて」
リビングでは蓮が心配そうに二階を見上げていた。
「大丈夫なんじゃないかしら。ふふふ」
紅葉は穏やかにそう言う。
昨日まで見えていたおかっぱの少女の姿が急に見えなくなった。それは少女の身に何かあったような悪い感じではなかったので、李苑が何か働きかけてくれたのだろうと思ったのだ。