FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
風のようなスピードで走る天馬を誰も居ない草原地帯へと操る。
「俺が降りたらすぐ城に帰るんだ」
ポンポン、と天馬の背を軽く叩き、草原に飛び降りる。
天馬は上空を一度旋回すると、一鳴きして城へと去っていった。直後、暗雲から何千という“気”がティージェ目掛けて飛んできた。
(何っ!?)
避けられない。剣を掲げ、結界を張った。しかしそれでも大量に降り注ぐ“気”は重く圧し掛かる。
「くっ……」
徐々に地面に足が食い込んでいく。
とその時、目の前が紅い霧で覆われた。
「ティージェ! 今のうちに抜け出せ!」
「ファリアか!」
幻術の使い手、摩利支天<まりしてん>ファリアの声に頷くと、全速で“気”の圏外に飛び出した。
「ティージェ、あれは一体何だ!?」
駆け寄ってくるなり、ファリアはそう怒鳴りつけてくる。彼女は普段とても物静かな女性だ。なのにこのような狼狽ぶり。
「俺にも分からない。……ファリア、何かあったか?」
ティージェの気遣わしげな声に、ファリアは悲しみを顕わにした。
「私の一族は皆……あの暗雲の放った“気”に飲み込まれた」
その事実に、かける言葉を失う。
「俺が降りたらすぐ城に帰るんだ」
ポンポン、と天馬の背を軽く叩き、草原に飛び降りる。
天馬は上空を一度旋回すると、一鳴きして城へと去っていった。直後、暗雲から何千という“気”がティージェ目掛けて飛んできた。
(何っ!?)
避けられない。剣を掲げ、結界を張った。しかしそれでも大量に降り注ぐ“気”は重く圧し掛かる。
「くっ……」
徐々に地面に足が食い込んでいく。
とその時、目の前が紅い霧で覆われた。
「ティージェ! 今のうちに抜け出せ!」
「ファリアか!」
幻術の使い手、摩利支天<まりしてん>ファリアの声に頷くと、全速で“気”の圏外に飛び出した。
「ティージェ、あれは一体何だ!?」
駆け寄ってくるなり、ファリアはそう怒鳴りつけてくる。彼女は普段とても物静かな女性だ。なのにこのような狼狽ぶり。
「俺にも分からない。……ファリア、何かあったか?」
ティージェの気遣わしげな声に、ファリアは悲しみを顕わにした。
「私の一族は皆……あの暗雲の放った“気”に飲み込まれた」
その事実に、かける言葉を失う。