FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
紫乃原、と聞いて、聖はある人物を思い出した。
先程人生最大の醜態をさらしてしまった、あの少女──。
「……その人の名前……もしかして、李苑って言わないか……?」
そうであって欲しくない、と恐る恐る聞いてみた。
「ああ、そうだ。……聖の知り合いか?」
「いや、知り合いというほどでは…」
消え去ったはずの羞恥心がドドドッと勢い良く舞い戻ってきた。
(うわあああっっ)
バッとタオルケットを被り、また床に突っ伏した。
「……どうしたのだ?」
真吏の驚いたような声がする。
「何でもない……」
聖は聞き取れないくらいの小さな声で答えた。
この日一日、聖は食事も取らずに部屋に閉じこもり、皆を心配させたのであった。
先程人生最大の醜態をさらしてしまった、あの少女──。
「……その人の名前……もしかして、李苑って言わないか……?」
そうであって欲しくない、と恐る恐る聞いてみた。
「ああ、そうだ。……聖の知り合いか?」
「いや、知り合いというほどでは…」
消え去ったはずの羞恥心がドドドッと勢い良く舞い戻ってきた。
(うわあああっっ)
バッとタオルケットを被り、また床に突っ伏した。
「……どうしたのだ?」
真吏の驚いたような声がする。
「何でもない……」
聖は聞き取れないくらいの小さな声で答えた。
この日一日、聖は食事も取らずに部屋に閉じこもり、皆を心配させたのであった。