FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「うれしそうだな」

「えー、だって李苑ちゃんかわいいんだもの。ねえ、蓮?」

「うん」

連は顔を赤らめながら頷く。

「あの子がラクシュだったらすっごくうれしいわあ。聖も李苑ちゃんに会ったんでしょ? かわいかったでしょ?」

「うん……まあ……」
 
聖はあの〝人生最大の恥”を思い出す。

(っだーっ、早く忘れたいのにーっ)
 
余計なことを思い出させる。

もし李苑がラクシュミーだとしたら、夢の解明のためにまた顔を合わせることになる。

あんな醜態をさらした後で顔を合わせるなんて、嫌かもしれない……。

「李苑ちゃんがラクシュかもしれないなら、聞いてみようか? あの夢見てるかって」

「そうね、聞いてみましょ」
 
紅葉はオレンジ色の携帯を取り出すと、皆の見守る中、李苑との通話を始めた。

「……ええ、ええ……そう、そうなの! うんうん、うん、来て来て、待ってるわ」
 
その言葉だけで、李苑がラクシュミーだと分かった。

(ああ……)
 
聖は頭を抱えた。
 
出来るなら、もう二度と会いたくない相手だったが。

「李苑ちゃん、ラクシュミーだわ。あの夢見てるって。今から来てくれるって。ふふっ、うれしいっ」

「俺もうれしい」
 
紅葉、蓮がうれしがる。

「これで後はファリアだけかあ」

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