FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「セイ、反応遅いよ」
蒼馬から指摘される。
「うるさい……」
考え事をしていたから反応が遅れただけだ……と心の中で言い訳する。
「……聖くん?」
「ああ、ごめん、何?」
「傷、大丈夫ですか? 痛くないですか?」
「傷? 別に痛いところはないけど……」
言われて見れば、左腕全体に包帯が巻かれていた。しかし特に痛みは感じない。
「でも凄く血が出てたのに……」
李苑が心配そうに言うと、蒼馬も寄ってきた。
「そうだそ。血ぃ止まんなくて三回も包帯変えたんだから。痛くないはずないだろ」
そう言いながら、蒼馬は聖の腕に巻いてある包帯をはずす。白い包帯には、茶色に変色した血の痕がついていた。
「ほらっ、て……あ、あれ?」
「……え?」
蒼馬と李苑が驚きの声を上げる。
「?」
聖も腕に目をやる。蓮や真吏もこちらに顔を向ける。
「な……なんで? なんでっ……?」
蒼馬は何を言って良いのか分からず、聖の顔と腕を交互に見比べる。李苑もオロオロするばかりで、黙ってしまった。
「どうしたんだ? ……傷、そんなに深くないけど」
確かに包帯には血の痕がべったりとついていたが、傷自体はほんの掠り傷に見えた。しかし蒼馬と李苑の様子が普通ではない。駆け寄ってきた蓮と真吏も呆気に取られている。
蒼馬から指摘される。
「うるさい……」
考え事をしていたから反応が遅れただけだ……と心の中で言い訳する。
「……聖くん?」
「ああ、ごめん、何?」
「傷、大丈夫ですか? 痛くないですか?」
「傷? 別に痛いところはないけど……」
言われて見れば、左腕全体に包帯が巻かれていた。しかし特に痛みは感じない。
「でも凄く血が出てたのに……」
李苑が心配そうに言うと、蒼馬も寄ってきた。
「そうだそ。血ぃ止まんなくて三回も包帯変えたんだから。痛くないはずないだろ」
そう言いながら、蒼馬は聖の腕に巻いてある包帯をはずす。白い包帯には、茶色に変色した血の痕がついていた。
「ほらっ、て……あ、あれ?」
「……え?」
蒼馬と李苑が驚きの声を上げる。
「?」
聖も腕に目をやる。蓮や真吏もこちらに顔を向ける。
「な……なんで? なんでっ……?」
蒼馬は何を言って良いのか分からず、聖の顔と腕を交互に見比べる。李苑もオロオロするばかりで、黙ってしまった。
「どうしたんだ? ……傷、そんなに深くないけど」
確かに包帯には血の痕がべったりとついていたが、傷自体はほんの掠り傷に見えた。しかし蒼馬と李苑の様子が普通ではない。駆け寄ってきた蓮と真吏も呆気に取られている。