やさしい手を僕に下さい
 母は何も言わずに

涙を流す。

父が言った。

「孝、事故に遭ったんだよ。」

事故?

初詣に出かけた僕が

事故に?

記憶をたどって

僕は思い出したんだ。

人混みの中

小さな男の子が

僕の前にいた。

両親と初詣に来ていた。

僕は幸也を待っていた。

あいつが来て…
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