やさしい手を僕に下さい
「はい…」

「私は 教師をしていたんだ

私の生徒はバスケ部に入っていて…」

おじさんの昔話が始まった。

大して興味もなかったが

僕は聞いていた。

「彼はプロになれるはずだったんだ。

でも バイクに乗って…

彼は右足を失くした。」

おじさんは黙ってしまった。

「今 その人は?」

おじさんは首を振った。


< 52 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop