やさしい手を僕に下さい
 私は 少しだけ

頭を下げ走り出した。

彼に 変に思われただろう。

 「しおり ありがとう。」

「しおりはイイ子だな。」

「しおり!!」

「しおり!!」

父と母の声が交互に聞こえた。

あの日

父が呼んだ最後の言葉…

私の名前。

こんな名前嫌い。

こんな名前消えちゃえ

こんな名前…

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