トラに恋したウサギちゃん!?

出会い



ガタッ、ゴトッ。

革靴から、もって来た上履きに履き替える。
すると。

カツカツカツ。

「あら、あなた早いのね。」

―先生かな?

「ちょっと早く目が覚めちゃって。」
言えない。言えるわけない。
時間見間違えたなんて絶対いえない。

「そう、それじゃあ私は入学式の準備があるから自分のクラスに言っててね。」
そう言って、その先生らしき人はいってしまった。

「綺麗な人だったなー・・・。」

よしっ。えー・・・っと、あたしのクラスは・・・。
「あっ、あった!1年1組かー♪いい友達できるかなー?」
1年生の教室は2階か。
うわぁー・・・なんか緊張する。

ガラガラ。

あり?誰いる?窓際にひとつの影があった。
あたしはその人の近くに行った。

・・・うわぁー。この日と、すっごいかっこいい。
輪郭が整っていて、鼻が高くて細い。
睫は量が多くて長くて、女の子みたいなんだけど眉毛が凛々しくて

・・・はっ!やばい、見とれちゃってた。
ふー、危ない危ない。

うぅー、目疲れた。眼鏡はずそ。
ちょっと暑いや、窓開けよ。

カラカラ

涼しーい♪

・・・ガタッ。
「誰?」

それが、あたしに恋を、人を愛することを教えてくれた、世界で一番優しい、私の、トラの王子様との出会いだった。

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