平凡太~ヘイボンタ~の恋
2人であちこち回る社内、先輩はすれ違う男ほとんどに声をかけられるが、嫌な顔一つせずに笑顔をふりまく。


「一華ちゃん、今日もかわいいねぇ~」


「一華ちゃん、今晩飲みに行かない?」


「一華ちゃん、今日も合コン、ダメ?」


…気のせいか。


話しかけてくる男みんなが、一華先輩の胸元に集中してるような…。


「さて。最後は屋上ね?」


先を歩く先輩を追って、屋上へ。


一華先輩はフェンスに駆け寄り、ボクを振り返って大きな伸びをした。


したんだケド…。


───パチン


小さな音がして、屋上のコンクリートに転がった物。


ボタン…?


拾い上げて先輩を見ると、真っ赤な顔をして胸元を押さえた。
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