平凡太~ヘイボンタ~の恋
“こうなるべきように全てが動いていた”


栞はそう言った。


そうなのかもしれない。


ボクらが産まれる前から人生の青写真はできていて。


それに添ってボクらは動かされているのかもしれない。


だったらボクの青写真の未来は、どうなんだろう。


一華先輩の人生は、どんなものなんだろう。


詞音ちゃんの将来は…?


ボクが思い巡らせたところで何も見えはしないけれど。


考えずにはいられなかった。


タバコとケータイ灰皿を持って、一本吸った。


胸ポケットのケータイから鈍いバイブ音。


開いたメールは一華先輩からだった。


“平太くん、今どこにいるの?”


Re“屋上です”


返信するとすぐに一華先輩が息を切らして来た。
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