平凡太~ヘイボンタ~の恋
誤魔化すように奥の部屋へ行き荷物を置いて、キッチンに背を向け詞音ちゃんのプレゼントの包みを開けてあげた。


「わぁ!プリキュア全部だー!」


「詞音がいい子にしてたごほうびだよ?」


「うんっ!しおん、もっといい子になるー!」


「良かったね?詞音」


「うんっ。へーたパパだぁいすき!」


そんな詞音ちゃんを見て、上がった“おかえり心拍数”が少し落ち着く。


なんか…。


何なんだろう…。


近くもなかったと思ってた一華先輩と詞音ちゃんがいっぺんに手に入ったような。


「ボクはここにいていいのか?」という問いが。


スルスルとほどけていく。


どうしたって心地のいいこの場所は。


“愛”があるからなんだよ、な…。
< 125 / 164 >

この作品をシェア

pagetop