平凡太~ヘイボンタ~の恋
「ハイ、ご飯できたわよー。今日は冷やし中華ですっ」


「えーっ!しおん、プリキュアで遊びたいー」


「じゃあ、プリキュアも一緒にご飯食べよっか?」


「うんっ」


ままごと混じりの夕食はうまくて、冷たいのに温かくて。


ボクはやっぱりもうここから抜け出せないと思ってしまう。


一華先輩も詞音ちゃんも。


もうボクの生活の、体の一部なんだ、と。


思い知らされる。


欲しくて欲しくてたまらなくて。


願えば願うほど実現させたくて。


心が溺れそうになる。


「平太くん、ビール、おかわりは?」


「あ、うん…。いただきます…」


一華先輩の手でコップに注がれる黄金色の泡が。


いつになく眩しく見えて飲むのが…もったいない。
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