平凡太~ヘイボンタ~の恋
「ねぇ、パパー?おみあいって、どんな食べ物?」


「お見合い…?」


「うん、ママがね、お見合い食べたんだってー」


「いつ?」


「わかんなーい。ねぇ、もうチャッポおしまいしようよー」


「あ…うん。じゃあ上がって体を拭こうか」


小さな詞音ちゃんの体の水滴を拭き取りながら、ボクは聞かされたばかりの“お見合い”を頭の中でグルグル回した。


一華先輩が…お見合い…?


言われてみれば先週までの一華先輩の様子がおかしかった。


ボクじゃない“誰か”を。


一華先輩は探してるんだ…。
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