平凡太~ヘイボンタ~の恋
*最終章  平凡太の恋*
「ふぅー。何とか寝床だけは確保できたな」


迎えた3人の春。


新居のマンション、引っ越し日。


「一華?ご飯炊けた?」


「うん、今持ってくー」


金の仏具に炊いたご飯を盛って、友詞さんの仏壇前。


「詞音、なむなむしよっか?」


「パパはここにいるのに、どうしてなむなむするのー?」


「うん。友詞パパがいなければ、今のボクら3人はいないんだよ?」


「しおん、わかんない。でも、なむなむ好き!」


3人で手を合わせ、友詞さんの眠りを静かに祈った。
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