平凡太~ヘイボンタ~の恋
「スイマセン、小野寺主任。ちょっと仕事の話聞きたいんで、もう少し待っててくれますか?」
「…チッ。じゃ、後で替われよ」
「わかりました」
眼鏡を指で押し上げ、一華先輩と目と目で合図。
「アリガト、平太くん」
「いえ、あの、小野寺主任と何か…?」
「おじゃましまぁす!」
ボクの言葉に割って入ってきたのは、新人の辻野さん。
「お酌回り、させていただきますぅ」
甘ったるい声で瓶ビールを持ち、ボクのグラスにビールを注ぐ。
「あのぉ、佐藤先輩、覚えてらっしゃいますかぁ?」
「えっ?何?」
「出勤初日、あたしぃ、駅で定期券失くして困ってたんですぅ」
「うん」
「それでぇ、駅員さんと話してたらあたしの定期券持った佐藤先輩が来てくれて。佐藤先輩、急いでらっしゃったみたいでお礼も言えなかったんですぅ。あの時はありがとうございましたぁ」
「…チッ。じゃ、後で替われよ」
「わかりました」
眼鏡を指で押し上げ、一華先輩と目と目で合図。
「アリガト、平太くん」
「いえ、あの、小野寺主任と何か…?」
「おじゃましまぁす!」
ボクの言葉に割って入ってきたのは、新人の辻野さん。
「お酌回り、させていただきますぅ」
甘ったるい声で瓶ビールを持ち、ボクのグラスにビールを注ぐ。
「あのぉ、佐藤先輩、覚えてらっしゃいますかぁ?」
「えっ?何?」
「出勤初日、あたしぃ、駅で定期券失くして困ってたんですぅ」
「うん」
「それでぇ、駅員さんと話してたらあたしの定期券持った佐藤先輩が来てくれて。佐藤先輩、急いでらっしゃったみたいでお礼も言えなかったんですぅ。あの時はありがとうございましたぁ」