平凡太~ヘイボンタ~の恋
*面倒な告白*
週が明けて月曜、出勤。


ボクは相も変わらず早めに会社へ出る。


一華先輩も、もうすでに来ていた。


いつもと変わらず給湯室で挨拶を交わす。


「オハヨ、平太くん」


「おはようございます、一華先輩」


「この前は…アリガト」


「いえ。あの…!」


「んっ?」


「いつでも、その…ボク、友詞さんになりますから」


「…え?」


「ボク、一華先輩のためなら『友詞』でかまいません」


「平太、くん…」


「それだけ言いたくて。じゃあ…」


「待って!」


「ハイ?」


「コーヒー、飲も?」


「ハイ…」


手渡されたコーヒーカップと左手薬指にはめられた指輪。


『友詞』の指輪。


一華先輩が望んでいるのはやっぱり『友詞』で。


だからボクは何も知らない『友詞』の影を作りたくなる。
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