平凡太~ヘイボンタ~の恋
終勤時間、ボクは明日でもいい仕事に少しだけ手をつける。


一華先輩は残業する上司に新しいコーヒーやらお茶を煎れたりで、まだ残っているから。


飲み会でのキス、持ち帰り、みんなの噂。


事実上ボクと一華先輩はつき合ってるワケで。


だから一緒に帰る、そのつもりで一華先輩を待っていた。


「ふぅー…」


一華先輩は雑務を終えて、ボクの右隣のデスクに戻って来る。


「平太くん、残業?」


「いえ、一華先輩を待ってました」


「そっか」


「ハイ。もう帰れます?」


「うん。あたし、着替えてくるね?」


「ここで待ってます」


「うん」


鞄には何も入れず、パソコンの電源を落とす。


待っている間、給湯室でカップにコーヒーを半分だけ入れて、ミルクを少し。


『友詞』って。


自分に言い聞かせながらコーヒーを飲む。
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