平凡太~ヘイボンタ~の恋
「えっと、辻野さん?」


「あ、一華先輩来ましたよぉ?帰りましょっ」


「う、うん…」


仕方なくデスクに戻る後ろを、辻野さんがくっついてきた。


「一華先輩、あたしもご一緒させてくださいねぇ?」


「あ…。うん、あたしなら構わないけど…」


戸惑うボクと一華先輩は、すっかり辻野さんペース。


2人で顔を見合わせて、仕方なく3人で会社を出た。


辻野さんはよくしゃべる。


「今日なんてぇ、部長に返事が悪いって怒られたんですよぉ?“はぁい”じゃなくて、“ハイ”って返事しなさいって。どっちでもいいじゃないですかぁ。無視してるワケじゃないんだしぃ」


「お客さん来る度にお茶くみですよぉ?あたしぃ、ウェイトレスしに来てるんじゃないんでいけどぉ」


「制服のスカートがぁ、短いんですってぇ。そう思って見てる事自体、セクハラじゃないですかぁ?」


ボクらはただ辻野さんのおしゃべりに相槌を打つだけで。


どのタイミングで辻野さんと別れようかと考えを図るのに、矢継ぎ早のおしゃべりは止まらない。
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