平凡太~ヘイボンタ~の恋
「今日はホント、ここで帰るから」


「えーっ!つまんなぁい」


「栞、わかってくれないかな?」


「栞はわかりたくなんてないッ。ね、じゃあね、栞にプレゼントして?そしたらここで帰してあげるぅ」


「プレゼント…?」


「キス、して?」


目を閉じて待つ栞に。


ボクにとっては意味のないキスを押しつけてアパートの階段を下りた。


「明日は来てくださいねぇ!」


甘ったるい声を背中で聞き、ボクは重い心を背負って家に帰った。
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