平凡太~ヘイボンタ~の恋
母親として我が子を想う気持ち。


守りたい、救いたい気持ち。


どれほど重いものなのかわからないけど。


大切、愛しい、自分よりも尊い『友詞』の分身は。


一華先輩にとって詞音ちゃんがこの世で1人、唯一の存在。


そんな2人を包んであげられたら…なんて。


おこがましいよ、な。


それでも願わずにはいられないんだ。


『友詞』に。


『パパ』に。


なりたい、と。


これが同情じゃなく愛情だ、と。


一華先輩に伝えられる日は来るのだろうか。


「ベッド、戻りましょうか?」


「うん」


2人で詞音ちゃんの手を握り、夜を送った。
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