平凡太~ヘイボンタ~の恋
翌朝の回診で退院。


まだ熱は高いけど、詞音ちゃんは元気に笑う事を忘れない、一華先輩が言う天使みたいな子だった。


病院前、別々のタクシーに乗り込む、と。


「パパはお家に帰らないのー?」


「「あ…」」


2人で顔を見合わせて笑った。


「一華、いい?」


「友詞がかまわなければ…。お願いしたい…カナ」


大人同士のおかしな会話に首をひねる詞音ちゃんと3人で同じタクシーに乗り、一華先輩の家へ。


アパートの部屋に入るなり、


───グゥ…


ボクの腹の虫が…。


「フフッ。友詞、お腹空いてるよ、ね?今、何か作るから、待ってて?」


「ども…」
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