平凡太~ヘイボンタ~の恋
「あ、えっと、し、詞音ちゃん!ぐっすり寝ました?」


「フフッ。おかげさまで」


「あの、えっと…ボク、どうしたらいいですか、ね?」


「ん?」


「や、あの、一華先輩も眠ってないし、お疲れか、と…」


「あたしの事なら気にしないで?平太くん、もう少し…いてくれない、カナ…」


「あ、でも…」


「詞音が…!」


「ハイ?」


「目が覚めてパパがいないときっと不安がると思うの。今は風邪で人恋しいと思うから、だから…いてくれない、かな?」


「ボクでいいんですか…?」


「平太くんしかいないの」


「ハイ…。じゃあ、お言葉に甘えて…」


「コーヒー、いれるね?」


そう言って一華先輩はコーヒーメーカーをセット。


コポコポとお湯の沸く音が詞音ちゃんの寝息をかき消した。
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