平凡太~ヘイボンタ~の恋
♪~♪~♪


一華先輩の返事を待たずして鳴ったのは、ボクのケータイ。


着信は…栞。


詞音ちゃんが眠ってるから、そう長くもチャラチャラ音を立ててはいられなくて、仕方なく電話に出た。


「もしもし」


『平太せんぱぁい、今どこですかぁ?』


「ちょっと用があって」


『えーっ!栞、ずっと待ってたのにぃ…。平太先輩のイジワルッ!!』


「どうしても行けないんだ」


『それって…一華先輩なんですかぁ?』


「………」


『明日栞ん家に来てくれなきゃ、全部みんなにバラしちゃうんだからッ!!』


───プツッ


まくしたてられ、一方的に通話が途切れた。
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