平凡太~ヘイボンタ~の恋
「パパー、しおんを抱っこしちゃダメだよー?」


「どうして?」


「またママが泣いちゃうもん」


「大丈夫。後でママも抱っこだから」


「フフッ。詞音、パパにずっと抱っこされたいって言ってたのに、ママに譲っていいの?」


「パパとママの仲良しがいいのー」


そんな詞音ちゃんが、たまらなくボクを揺さぶる。


欲しい一華先輩。


欲しい詞音ちゃん。


ボクなんかじゃ力量不足だけど、許されるならば。


週末の家族をずっと演じていたい。
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