平凡太~ヘイボンタ~の恋
そんなボクを見て一華先輩は笑う。


きっと『友詞』を重ねてる。


それでも良かった。


『友詞』が持てなかった時間───一華先輩と詞音ちゃんの時間をボクが持てている。


影としてのボク。


この幸せを共有できてるのは、紛れもなく、このボクだから。


雨の日曜日は3人で家の中でてるてる坊主を作った。


「今度パパが帰って来た時は、晴れがいいもん。動物園に行きたいもん」


そうして週末を送った。
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