平凡太~ヘイボンタ~の恋
「約束しただろ?パパは、ママと詞音とずーっと一緒だよ?」


「どうしてママは笑わないのかなぁー。しおんは悪い子なのかなぁー」


「詞音はいい子だよ?きっとママはお仕事で疲れてるだけさ」


「うん…」


「おいで、詞音。パパがぎゅーしてあげるよ?」


「うんっ」


膝に詞音ちゃんを置いて小さな胸の不安がおさまりすように、そう願って抱き締めた。


こんなに幼い詞音ちゃんの胸を痛めてしまうほど。


一華先輩は何に追い詰められているのだろう。


代理にもなれないボクに嫌気がさしたのだろうか。


『友詞』にも。


『パパ』にもなれないボクに。
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