平凡太~ヘイボンタ~の恋
*2人の幸せ*
それから2週間。


ボクは一華先輩の家に呼ばれる事なく、週末は自宅で過ごし、いつもと変わらず仕事へ。


給湯室の一華先輩を見つけて挨拶を交わす。


「おはようございます」


「オハヨ、平太くん。ハイ、コーヒー」


「ありがとうございます」


社内では、栞のせいですっかり一華先輩が子持ちの未亡人だという話しが広まっていた。


おかげで一華先輩狙いの職員減。


嬉しい反面、いらなくなった『友詞』似のボクは、役目を見つけられないまま、自分すら探せない。


ボクはボクのまま一華先輩を想えばいい、それが許されない気がして。


片想いの比重がわからなくなっていた。


好き、は変わらない。


ボクは一華先輩が、好き。


でも、その好き、の重さが計れない。


もう詞音ちゃん込みで2人を想ってしまった心は。


分割できなくなっていた。
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