恋するイケメン
公園の前を通り過ぎようとした時、後ろから自転車のベルが鳴った。


チリンチリン…。


「あゆ~!」


「お母さん!」


自転車に乗った親子が近づいてきた。


「あゆから離れろ~!害虫!」

亜由美の弟の和也が後ろから乗り出すように叫んできた。


「彼氏!? 彼氏なの!?や~ん、イケメンじゃな~い。亜由美!連れてきなさい!ね?待ってるから!」

「母さん!降ろして!僕、あゆと帰る!母さん!」

「じゃあ、後でね~。」


後ろで喚く和也を無視して行ってしまった。


やべ、挨拶してねー。

第一印象って大事だろ…。


「ごめんね。騒がしい人で…、大丈夫? 無理しないでいいから。」


亜由美は、黙る俺を心配そうに見る。


「行ってもいいのか?」


俺を親に逢わせたくないのかも…。



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