期限付きの恋~あなたと私に残された時間~




ーーータッ、タッ、タッ……


誰かの足音がする。


きっと、お母さんかお父さんだろう。


それが、どんどん私の部屋へ近づいてくる。


私は、慌てて布団にもぐりこみ、寝たフリをした。



ーーーキィッ……



部屋のドアが開いた。


布団の中から人のシルエットが見えた。


きっとあれは、お母さんだと思う。


そして、お母さんは私の顔を覗き込み、部屋から出て行った。



再び部屋には私しかいなくなった後、また涙が出てくる。


さっきもいっぱい泣いたのに。


涙は枯れることを知らないみたいに、次から次へと溢れ出す。


そうしてその日は、泣き疲れて眠りについた。




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