リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・14
「エプロン外すから、ちょっと離れて」

「あっ、うん」

あたしが離れると、アイツはエプロンを脱いだ。

そして改めてあたしと真正面から向き合う。

「ここが良い? それとも移動する?」

「ここで良い」

そう言って今度は正面から抱き着く。

アイツはちゃんと抱きとめて、優しくあたしの頭や背中を撫でてくれる。

…昔は同じくらいの身長だったのに。

いつの間にかコイツは『男』に、あたしは『女』になってしまった。

いつまでも同じではいられないことは分かっていても、なかなか受け入れられないんだから、あたしってガキなのかもしれない。

顔だけ上げて、じっとアイツの顔を見つめる。

すると理解したように笑みを浮かべ、キスしてくれる。

「んっ…」

手であたしの顎を軽く持ち上げるようにして、キスしてくるんだから、ちょっとムカつく。

だから両腕をアイツの首に回して、あたしの方に引き寄せる。

「ふっ…。どうしたの? 今日はやたらと積極的だね」
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