先生と執事【続・短編】
俺が病院に泊まると言った瞬間、麻椿は驚いた顔をした。
でもそれを無視して頭を撫でていると、少しずつ目がトロンとしてきた。
やっぱり妊娠だけが原因で倒れた訳じゃなさそうだ。
身体にも疲れが溜まっていたのだろう。
「お願い聞いてくれる?」
考え事をしながら返事をしていると、麻椿から珍しい言葉が出てきた。
お願い?麻椿が?
甘えたり頼る事が苦手な麻椿が、自分からそんな事を言うなんて…。
ビデオ撮っとくべきだった…レアだったのにな。
「せんせ?」
「あ、悪い。いいよ、お願い聞いてやる。」
頭を撫でていた手を頬に当てると、麻椿は少しくすぐったそうに笑った。