先生と執事【続・短編】
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「行ってきます。」
「いってらっしゃい、気をつけてね。」
秋も終わり、季節はもう冬をさしている。
あんなに暑かった夏が嘘かのように、今はとても寒い。
これだけ周りが変化していくなか、私の朝のはじまりだけは何も変わらない。
いつものようにお父さんとお母さんの声で目が覚めるんだ。
「もうすぐなんだから、無理しないようにな。何かあったら電話しろよ?」
「わかってる。心配しすぎだよ、ふふふっ。」
階段で二人の会話を聞くのも、いつのまにか私の習慣となってしまった。
しかし、結婚して大分経つのに本当仲良いなぁ…。
「永愛、お母さんの事頼むな。」
「あ、はーいっ………って、えぇっ!!?」