先生と執事【続・短編】
当たり前のように、今の状況では一人で行けるわけがない。
自分から先生に連絡する勇気もないし、まして子供達に助けを求めるわけにはいかない。
考えれば考えるほど、答えはどんどん遠のいていく。
どうしよう…。
このままじゃ赤ちゃんが死んでしまうかもしれない。
風邪で身体が痛めつけられていくのと同時に、心も痛められているよう。
小さかった不安は確実に大きくなっている。
誰かからの連絡を待ちわびるように必死で携帯電話を握りしめる。
身体中から流れ落ちる汗は急激に私の体温を奪い、さらに風邪を悪化させていく。
意識が少しずつ薄れていこうとしたとき、握りしめている携帯が振動しているように感じた。