先生と執事【続・短編】
病院って…お父さんの為じゃないよね?
じゃぁ、何で……。
どうして病院にいるの?
お母さん、赤ちゃんに何かあったんじゃ…
「おい?姉ちゃん?」
「っっ瞬輝!!??」
電話の前で立ち尽くしている私の横には、いつのまにか瞬輝の姿があった。
帰った事にも全く気付かないなんて…。
一体いつから居たんだろう。
「何、何かあったの?」
あ…この顔、お父さんに似てる。
怒ってるみたいな表情なんだけど、本当は心配してくれているんだよね。
二人とも不器用だから、自然と仕草も似るのかな…。
「おい、聞いてる?」
「あ…うん、ごめん。留守電聞いて、そしたら解るから。」
「…留守電?」
私の言葉に不思議そうな顔をしながらも瞬輝はボタンを押し、お父さんの留守電を聞いた。
表情一つ変えず、最後まで落ち着いた様子で。
「ふーん、病院か。じゃあ二人揃ったし電話しようか。」
………なんで?