先生と執事【続・短編】
「…瞬輝は、何でそんなに落ち着いていられるの?」
「は?」
「っ病院だよ?!検診の日でもないのにお父さんが一緒なんて絶対おかしい!!……どうしよう、私のせいでお母さんと赤ちゃんに何かあったら……」
「別に姉ちゃんのせいじゃ……」
「私のせいだよっ!!…お父さんに、頼まれてたのに……。」
お母さんをお願いって。
なのに、なのに私は…何もしてない。
今朝だってお母さんの異変に気づいていたのに、そのままにした。
「どうしよ…どうしたら……」
「落ち着けって、事情聞かないと何も解らないだろ?もしかしたら産まれるだけかもしれないし…」
「違う!!!」
そうじゃない。
そういう嬉しい事じゃない。
だって、話すお父さんの声、あれは…。
「前の時と同じ声だった。」
「……え?」
「留守電のお父さんの声、前にお母さんが倒れた時と同じだったの!!っっだから…」
「姉ちゃん!!!」
「っっ!!!!!」
しゃがみこんでいる私の両肩を、瞬輝は大きな声を出したと同時に勢いよく掴んだ。