先生と執事【続・短編】
「そんなこと今言ってても仕方ないだろっ!!それに、父さんも母さんも姉ちゃんのせいだなんて思うわけない!!」
「…しゅん、き。」
どっちが年上か解らないね。
まるで瞬輝がお兄ちゃんみたいに思えてくるよ。
私よりしっかりしてて落ち着いてるし、すごく頼りになる。
「とりあえず電話して事情聞いたら二人のとこに行こう。母さんなら、絶対大丈夫だから。」
「……ん、そうだね。ありがとう瞬輝。」
私の返事に少し照れくさそうに笑った瞬輝は、電話を取り上田のおじいちゃんに電話をかけ始めた。
いつまでも小さいままの瞬輝だと思ってたのに。
いつのまにか大人に近づいてたんだなぁ。
あ、そういえば…最近身長も抜かれたんだっけ。
手も、足も、背中も、どんどん大きくなってる…。
きっと、瞬輝はお父さんに似て格好良くなるんだろうね。
「姉ちゃん、上田のじいちゃんが一時間くらいでこっち来るってさ。」
「そっか。じゃぁ私はお母さんの荷物準備するから、瞬輝は一応お父さんの荷物準備しといて。」
「わかった。」
しゃがんでいた身体を持ち上げる。
落としたままだった鞄も拾い上げ、瞬輝と二人の所へ向かう準備を始めた。