先生と執事【続・短編】
「もうすぐ着くからな。降りる準備をしときなさい。」
「うん…わざわざありがとう、おじいちゃん。」
あれから瞬輝と荷造りを済ませ上田のおじいちゃんを待っていると、なんと、まさかのまさかでおじいちゃんが車に乗って私達の前に現れた。
おじいちゃんは私達のお母さんのお父さんで、田中財閥の会長でもある凄い人。
普段はあまり会う事ができないけど、会えた時は勉強を教えてくれたり、遊んでくれたり、色々な所へ連れて行ってくれる。
優しくて格好いいい私達の自慢のおじいちゃんである。
「車とめたら追いかけるから、二人で先に病室行っててくれるか?」
「うん、解った。瞬輝行こう。」
「ん。じいちゃん、ありがとう。」
「あぁ。」
病院に着き先に車から降りた私達に、おじいちゃんは笑顔を向ける。
お母さんが『昔はもっと厳しい人だったよ』って話してくれた事があったけど、この笑顔からは想像もできない。
……あぁ。そういえば、『孫バカなんだよ』とも言ってたっけ。
走りさる車を見届けてから、瞬輝と二人で足早に病室へと歩き出す。