先生と執事【続・短編】
「502号室だっけ、母さんの病室。」
「うん。」
大きい鞄二つと中くらいの鞄一つを持って、並んで歩く。
大きい鞄には二人の入院の用意、中くらいの鞄にはお弁当が入っている。
きっとお父さんはお母さんの傍を離れないだろうから、病室で一緒に食べれるようにと瞬輝と二人で急いで作ったお弁当。
まぁ美味しいかどうかは別だけど、食べれないことはないと思う。
「あ、姉ちゃん危ない。」
「え?は?っっぶふ!!!?」
「あっ!!!ぅわ!!!」
ドンッという身体同士がぶつかる音と、お弁当が落ちる音が耳へと響く。
はじき飛ばされた身体からは少しだけ鈍い痛みが走った。
「いったぁ……」
「だから危ないって言ったじゃん。前見て歩けよ。」
「…瞬輝。あんた言ったって言うけどね、もうちょっと危機感あおるように言ってよ!!冷静すぎるわ!!!」
「何俺のせいみたいに言ってんの?姉ちゃんが前見てなかっただけだろ。」
「それはそうだけ…「あのっ!!」」
「「!!!!!」」