先生と執事【続・短編】
廊下の真ん中で姉弟喧嘩をしかけていると、横から声が入ってきた。
「すいません、俺もよそ見してたんで……。」
声の方に目を向けてみると、そこには見た感じ私達よりも年上のように見える、長身でいかにもスポーツマンな男の人が立っていた。
「っっあ、あし!!!」
「え?」
「だから、足!!大丈夫でしたかっ??!」
背高いなぁ…と見ていて気が付いた。
ジャージのズボンの裾から少し見えている包帯に巻かれた足に、腕に抱えられた松葉杖の存在に。
あぁ、私は足を怪我している人とぶつかってしまったんだ。
しかも、それに気づかずに姉弟喧嘩まで……
「あははっ、そんなに心配しなくても大丈夫。何ともないよ。」
「…そう、ですか。良かったぁ」
「まぁ実際、ぶつかって転んだの姉ちゃんだけだしね。」
「なっ!!!ちょっとそれ早く言ってよっ!!」