先生と執事【続・短編】






先生が待つ庭へと向かうと、外にでた瞬間肌寒さを感じた。







う……暖かくなったといえど、まだ夜は冷えるなぁ……。







「ばか麻椿、なんでそんなに薄着なんだよ。また風邪ひきたいのか?」







先生に考え読まれた、ばれた、気づかれた。






よく見ると、ティシャツ一枚の私に対して先生は上にカーディガンを羽織っていた。






流石先生、ぬかりないな…。







「……中から上着とってくる。」







「いい、これ着とけ。」







「え?」







そう言って、先生は自分が着ていたカーディガンを私にかぶせる。








家の中に入れば上着なんていくらでもあるのに…それに、これじゃ先生が寒いじゃん!!









「先生、やっぱり中から持ってくるよ。」







「いいって、俺寒くないからそれ着とけ。」







「でも……。」







「………麻椿が俺の服着てるの好きなんだよ。」







「え?」







「あー、もううるさい、良いから着とけ。」












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