先生と執事【続・短編】
いきなりの私からの告白に、先生の目が丸くなる。
「先生が服を着せてくれるって事は、私の抜けている所に気づいてくれているって事でしょ?だから、私も先生から服を着させてもらえるの好きなんだぁ。」
「―――――っっ!!!」
昔から、先生はよく私に自分の服をかけてくれた。
『寒いだろ』とか『風邪引く』って言って、自分だって寒いくせに私の事ばっかり考えてくれていた。
先生は昔と全然変わらない。
優しくて、強くて、頼りがいがあって。
何より、自分で言うのもおかしいけど…沢山愛してくれる。
あ、でも…一つだけ変わった事があったね。
先生の服からする香り、私の着ているものと同じ香りになってるね…。
「ねぇ、先生。」
「ん?」
「寒いから、傍に行ってもいい?」
またもや私の突然の発言に驚く先生。
でも、直ぐにいつもの冷静な先生に戻って、そして優しい笑顔で私に向かって頷いた。