レンアイ授業

「どうした?何かあった?」

あたしは、修太くんにすべてを話した。

「会ったの?」

「向こうは気づいてないと思う。」

「そっか。」

修太くんは、あたしを自分の方へ引き寄せた。

何も言わず、ただあたしの頭をトントンってした。

そのリズムがなんだか妙に落ち着いて。

すごく安心できた。

「修太くん、ありがとう。」

そのまま、家まで送ってくれた。

「わざわざありがとう。」

「いいよ。何かあったら、いつでも連絡しろよ?
遠慮とかいらないから。」

修太くんは優しくそう言ってくれた。

「修太くん...ありがとう。」

修太くんのその優しさが、今のあたしには心地よかった。

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