レンアイ授業

「あんた、まだ生きてたの?」

早くこの場から離れたいのに、足が言う事を聞かない。

逃げたいのに、逃げられない。

あの女の言葉が、頭の中でリピートされる。

聞きたくないのに...

『あんたがいなくなったおかげで、私は幸せになれたわ。』

『最初からあんたがいなきゃ、良かったのよ。』

いや...

『あんたが生きてる限り、誰も幸せにはなれないわ。』

『あんたの周りにいる人は、あんたのせいでみんな不幸になるわね。』

足の震えが止まらない...

い、や...

あの女の口は止まることを知らない。

言葉はどんどんエスカレートしていく。

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