残酷な華

「菜々、放送室行こうか…。」


放送の後の沈黙を破ったのは私だった。

「うん。そうだね。何だろ、渡したい物って?」

菜々は目は虚ろだけどもまだ気は狂ってないみたい。

私は昨日、見てしまった。

恐怖に狂ってしまった友達を…。

菜々は知らない。

あの時、寝ていたから。

時をさかのぼって

6月5日 8時35分

私は不意に喉が乾き水道に向かっていた時のこと。
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