残酷な華




「・・・。とことんまで最低な女だな。あいつは・・・」




二人っきりになった安西君の声には色が残っていなかった。



無理もない。



【無差別人殺し】




そして、目の前で見たすずめの死骸。


こんなことの連続で心が麻痺していくのが本当に怖い。



死ぬよりも・・・



「レイシェルのおかげで俺らはここにいるしかないみたいだな。場所が分かるから・・・あと、伊藤にこっそり真実を伝えるのも無理みたいだな。」



「えっ・・・なんで?」



そして、安西君が指差した先にいたのは・・・




“ミラ”




砂埃が影を作って見えた大きな鎌と小柄な男の子。


だいたい、100メートルくらい先にいる。


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